ライフ

絵本コーディネーター東條知美さんが選ぶ「大人が泣く絵本」10冊

aa

子育て期の母親に優しく寄り添う

 いま、大人が心を揺さぶられる絵本が増えている。室井滋さんが文を、長谷川義史さんが絵を描いた絵本『会いたくて会いたくて』は、「大人が泣く絵本」として話題に。現代人が忘れがちなことを思い出させてくれ、思わず泣いた、といった感想も多いという。心が荒みがちな昨今、絵本を読んで気持ちを清らかにしませんか。絵本コーディネーターの東條知美さんが、「大人が泣く絵本」を10冊選んだ。

『あなたのことが だいすき』
えがしらみちこ・文と絵 西原理恵子・原案 (角川書店)

 原案は、西原理恵子さん。乳幼児の子育てに奔走する母親が、余裕のない日々、子への愛おしさや葛藤の間で揺れ動く様子が柔らかい絵で綴られる。

「現役の母にとってはお守りのような本であり、子育て期を通りすぎた母にとっては、かつての自分を思い起こし、胸に迫ります。多くの母にとって“私の絵本”だと思える一冊です」(東條さん・以下同)

『あおいアヒル』
リリア・作 前田まゆみ・訳 (主婦の友社)

ああ

親の介護に直面する前に読みたい

 母と息子の親子愛を描いた一冊。主人公のワニはアヒルに拾われて慈しみ育てられ、成長する。だが、老いたアヒルは、徐々に息子のことも忘れ、徘徊を始める。

「介護で苦しんでいる人にとっては残酷に映るかもしれません。ですが、私たちの多くはかつて愛され大事に育てられた記憶がある。美しい記憶を守りたい、こうあってほしいと願う世界が描かれています」

『ぶたばあちゃん』
マーガレット・ワイルド・作 ロン・ブルックス・絵 今村葦子・訳 (あすなろ書房)

ああ

大切な人をどう看取るかを教えてくれる

 ずっと2人で暮らしてきた孫娘と祖母。ある日、祖母は自分の命が間もなく尽きることを悟り、死に支度を始める。

「最後の日々をどう家族と過ごすか、何をどう大切な人間に伝えていくかを、静かに美しく描いた絵本。この本を読んで、祖母の死で残されたものは悲しみだけではない、祖母の教えは私の中で残されているんだと気づかせてもらえました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン