オープン戦で打率3割2厘、新人記録となる6ホーマーを放った阪神の新星・佐藤輝明(22)。今年、佐藤がどれほどの活躍を見せるのか、多くの野球ファンが固唾をのんで見守っている。
同じような興奮は、甲子園を沸かせた清原和博が快進撃を続けたルーキーイヤーの1986年とも重なる。あれから35年が経った今シーズン、佐藤は清原を超えるスーパースターとなれるだろうか。
マサカリ投法で通算215勝を挙げたロッテの村田兆治氏がふたりを比較する。
「清原はルーキー時代からストライクとボールの見極めができて、甘いボールを右中間に飛ばせました。
佐藤も器用だから、フルスイングでも少しポイントをずらして逆方向にホームランが打てるし、速い球を引っ張ることもできる。低目は苦手としているが、高目はバットコントロールをしながら打てています。新人なのに往年の門田(博満)に近いレベルのバッターで、相当期待できる」
阪神OBの田尾安志氏は、清原以上の一発を期待する。
「スイングを比べると、打率を残す力は清原が上回り、どのような状況でも遠くに飛ばす力は佐藤が上回る。清原はミートポイントが前方で、佐藤は体の近くまで引きつけて打つ違いもあります。佐藤は三振が多くなるかもしれないが、どんなときでもフルスイングを続けて、相手投手が嫌がるバッティングをしてほしいですね」
本塁打量産に期待が高まるが、西武OBの山崎裕之氏が不安視するのは「グラウンド外の敵」だ。
「大卒で4年間の差がある分、線の細かった清原より体のできている佐藤には期待ができます。
ただし心配なのはグラウンド外です。人気球団の阪神の選手は誘惑が多い。これまで数多の素質ある選手が酒と女でダメになっていったので、球団にはしっかりガードしてもらいたい」