今年の私立大学入試の志願者は2年連続の減少、しかも戦後最大の12%の大幅減だった。
歴史的な「志願者減」となった早慶大
私学の雄である早稲田・慶應大学もその影響を受けた。早稲田大は1972以来49年ぶりに志願者10万人割れの9万1659人にとどまった。昨年より1万2917人(12.4%)少なく、3年連続の減少だ。
一方、慶應義塾大も昨年より1773人、4.6%減の3万6681人だった。これで4年連続の志願者減で、平成以降、最少の志願者数となった。
また、当初発表の合格者数について倍率(志願者数÷合格者数)を見ると、早稲田大が7.7倍から7.1倍、慶應義塾大が4.9倍から4.6倍にダウンしている。今後、両大学とも繰り上げ合格者を出して合格者が増えるため、倍率はさらに下がると見られる。
これは今年の入試の特徴で、早慶だけでなくMARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)や関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)でも同じだった。大学として倍率が下がり、入りやすくなったことは間違いない。
早稲田大は「量より質」の学生募集に
今年は大学入試改革初年度だが、それにあわせて入試改革を行ったのが早稲田大だ。
政治経済、国際教養、スポーツ科の3学部で大きな入試改革を行った。共通テストの成績と大学独自試験で合否判定する国立大方式に変えたのだ。そのため、私立大文系を目指す3教科中心の学びの受験生は、特に数学が課された政治経済学部は受けにくくなり、志願者が28%減となった。国際教養も37%減、スポーツ科学も47.8%減とほぼ半減した。
さらに、商、文、文化構想、国際教養学部で共通テストの成績だけで合否判定する方式を中止した。商学部は入試方式を増やして受けやすくした。志願者が集まる方式を放棄し、「量より質」の学生募集ということが、より鮮明な入試になった。一方、慶應義塾大は昨年とほとんど変わりなかった。