緊急事態宣言が解除されても、人々のコロナへの恐怖は消えない。それどころか、外出や会食をする人への非難は増すばかりだ。恐怖に支配された「コロナ脳」の“暴力性”を、ベストセラー『コロナ論』著者・小林よしのり氏と京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸氏が語り合った。
洗脳したのはテレビ
小林:わしが「コロナはインフルエンザより怖くない」「過剰対策をやめろ」と発言すると、「コロナは怖い、怖い」とひたすら煽る連中に洗脳された“コロナ脳”の人たちがSNSなどで猛然と叩いてくるわけです。いくらデータを示して説得しても、洗脳されてコロナ脳になっているから、信じないし、「お前は嘘つきだ」と批判してくる。テレビから流れてくる情報やSNSで自分の周りの人間が言っていることを鵜呑みにするだけで、自分で調べようとしない。
宮沢:おっしゃる通りで、私はウイルスを研究していて専門家のつもりですが、何か発言するたびにやたらと叩かれる。テレビにはウイルスどころか、感染症の専門家でもない町のお医者さんが出てきてデタラメをしゃべっているので、間違いをツイッターなどで指摘すると、「お前は専門家のくせにそんなことも知らないのか」と返ってきて唖然とするんです(笑)。
小林:洗脳されてしまっているからね。
宮沢:私も罵倒されれば腹が立ちますが、彼らは被害者でもあると思うんですね。だから、“コロナ脳”という言葉にはちょっとバカにしたニュアンスがあるので、本当はあまり使いたくない。洗脳したやつは誰やねんと。
小林:それはわしも理解しています。ただ、洗脳を解くには、ちょっと強い言葉を使わないと、本人たちも気づかないと思うんですよ。ショック療法だと思って、あえて使っている。
宮沢:ええ、わかります。
小林:だから、本当の敵はコロナ脳の一般の人たちじゃなくて、テレビを中心とするマスコミであり、デタラメを言い続けてきた専門家であり、それらに引っ張られて過剰な対策をやり続けている政府なんですよ。
テレビは毎日、毎日、「今日の検査陽性者は何人。過去最多」ってやり続けているでしょう。あんなのを毎日見ていたら、心を病んでも不思議じゃない。
宮沢:前日より減ったときでも、「火曜日としては最多」とか言って、なんとかして多く見せようとしている。