国内

令和の学校から家庭訪問を消滅させた「仰天の昼顔事件簿」

家庭訪問が思わぬトラブルを招く時代に(bino/PIXTA)

家庭訪問が思わぬトラブルを招く時代に(bino/PIXTA)

 親になり子供が学齢に達すると、「自分が子供の頃といろいろ違うなあ」とジェネレーション・ギャップを感じる保護者は多い。子供と30歳の差があれば、同じ学年で自分が経験したことは30年前の常識だ。違うのが当然と言えば当然だが、そうした変化は必ずしも「進化」ではないこともある。例えば、事故を恐れて次々と遊具が減っていることや、近隣からのクレームがあるからとチャイムを廃止したり、土の校庭を舗装してしまうなどは、子供のためになっているか疑問も感じるところだろう。

『週刊ポスト』(4月5日発売号)では、「令和の学校から消えたもの」を特集している。遊具では、ブランコやシーソー、回旋塔などが消えつつあり、理科の実験で必ずお目にかかったアルコールランプやマッチも「危険だ」としてあまり使われなくなっている。

 そうした変化のなかで、親世代が驚くもののひとつが「家庭訪問」だ。最近の学校では、家庭訪問そのものをしないところも多い。共働き家庭が多くて現実的に難しいということもあるし、教師だとしても家に入れたくない、家の中を見られたくないという保護者も増えている。希望する家庭だけ実施しているという学校もある。地方の中学校に勤めるベテラン教員が語る。

「今いる中学校は家庭訪問をしていますが、隣の中学校はやめましたね。うちでもやめようという声はあります。理由はいろいろありますが、家庭訪問をやると、その期間は4時間授業とかにせざるを得なくなる。子供にしっかり勉強を、と言っているのにそれはどうなのかという意見がひとつ。あと、共働き家庭だと、学校側が決めた時間に家にいなければならないことを嫌がるケースもある。残念ながら、今のご時世では先生という存在があまり親から信頼されていない。先生と話しても意味ないという親御さんも増えているし、そういうなかで家庭訪問をしたくないという先生も少なくない」

 家庭訪問を実施している学校でも、玄関先で済ませるのが令和の常識で、お茶やお菓子をもらうことを禁止している学校も多い。特定の家庭と親しい関係にあると噂されたり、親同士が「先生接待」を競うようなトラブルを避けたいからだ。ただし、前出のベテラン教員は家庭訪問の意義も訴える。

「私は生活指導主事という立場だったことが長いので特にそう感じるのかもしれませんが、家庭訪問はすごく大事です。家庭の様子、親御さんの人柄を知って、保護者とすぐに話ができる関係を作っておくと、生徒に何かあった時にスムーズに対処できます。もしものケースがなければ無駄になるかもしれませんが、保護者と教師が信頼を築く機会は今後もあったほうがいいと思います。ただ、プライバシーへの配慮も重視されるなかで、家庭の込み入った事情に踏み込んだ話はしにくいことも悩みです」

関連記事

トピックス

第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
(撮影/田中麻以)
【高市早苗氏独占インタビュー】今だから明かせる自民党総裁選挙の裏側「ある派閥では決選投票で『男に入れろ』という指令が出ていたと聞いた」
週刊ポスト
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン