この4月の改編で放送開始時間を1時間繰り上げて、夜10時スタートとなったテレビ東京系の報道番組『ワールドビジネスサテライト』(以下、WBS)。テレビ朝日系『報道ステーション』(以下、報ステ)と同じ時間帯での“真っ向勝負”となったわけだが、ひとまず“善戦”という形になった。
放送時間繰り上げ初回となった3月29日放送の『WBS』の視聴率は、4.2%で前週の平均から微増。同日の『報ステ』は平均視聴率12.2%で、こちらはほぼ横ばいだったという。
「そもそもの視聴率に3倍くらいの差があるので、簡単に比べることはできませんが、『WBS』が不利なのではないかという予測もありました。しかし、初回はソフトバンクグループの孫正義会長が出演するなど、注目度も高かった。滑り出しとしては十分なものだったと言えそうですね」(制作会社関係者)
経済ニュースに重きを置き、ほかの報道番組と差別化を図っている『WBS』。そのため“固定ファン”が多いとも言われている。テレビ事情に詳しいライターの大塚ナギサ氏はこう解説する。
「経済やビジネスに特化した番組なので『WBS』でしか扱われない情報も多い。そのため、『WBS』を能動的に選択する視聴者が多いんですよね。だから、1時間繰り上がって『報ステ』と放送時間かぶっても、そこまで視聴率が変わらないのだと思います。たとえば、これまで“10時から『報ステ』を見て、11時になったら『WBS』にチャンネルを替える”という視聴者も、今後は“10時から『WBS』”になると思います。そういう意味では、『報ステ』と『WBS』を掛け持ちしていた視聴者が『WBS』一本になる可能性もあるはず。『WBS』が10時スタートになったということがもっと広く知れ渡っていけば、『WBS』の視聴率はさらに高くなっていくのではないでしょうか」
今回の放送時間繰り上げに伴い、テレビ東京の佐々木明子アナが『WBS』のメインキャスターに就任。現任の大江麻理子アナは月・火曜日を担当し、佐々木アナは水・木・金曜日を担当する。