元夫婦の明石家さんま(65才)と大竹しのぶ(63才)がタッグを組んで話題となっている。さんまが初の企画、プロデュースを務めるアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』(6月11日公開予定)で、しのぶが主人公の肉子ちゃんの声を演じているのだ。
二人が結婚したのが1988年、そして離婚したのが1992年のこと。子供の親権はしのぶが持つことになったが、さんまは血縁関係のない長男・二千翔さん(36才)と、長女でタレントのIMALU(31才)と定期的に顔を合わせ、父親としての役割を果たしてきた。離婚した夫婦とは思えない仲のよさに、世間では幾度となく復縁説がささやかれてきたが、しのぶは、さんまとの関係を「友達以上、家族未満」ときっぱり断言している。
夫婦問題カウンセラーとして30年以上さまざまな離婚問題と向き合ってきた岡野あつこさんは、「さんまさんとしのぶさんは、日本では最先端の夫婦」と話す。
「日本では、離婚というと、どうしても双方の『争い』として捉えられやすい。弁護士をつけて調停や裁判をすれば『勝ち負け』を争うことになるし、感情的になって勢いで協議離婚すると、後々になって条件のことでもめるケースが多い。
離婚において大事なのは、『どちらが正しかったか』を決めることではありません。日本人は、『いい離婚』をしようという意識が低いのです。さんまさんとしのぶさんのような関係はアメリカでは珍しくないですが、日本では“最先端”といえます」
「離婚大国」と呼ばれるアメリカでは、離婚後も2人で食事したり、悩み相談の相手になるなど、元夫婦が親しくつきあいを続けることは一般的だ。
「IACPという団体が『もめない離婚』を推奨していて、裁判になっても互いの弁護士が手を組み、双方がうまく話し合って“仲よし離婚”ができるシステムが流行っています。最近は日本でも、若い夫婦を中心に“仲よし離婚”する人もいますが、まだまだ少数派です」(岡野さん)
実際に、離婚経験のある女性に話を聞くと、元夫は「赤の他人」と答えるケースがほとんど。何十年経っても元夫への憎しみが収まらないという人もいる。30年前に離婚した女性が語る。
「恋人になって3か月でスピード入籍した直後、元夫の酒乱と暴力、浪費癖が発覚しました。当時はDVという言葉もなく、『男の人なんてそんなもんよ』と、周囲に理解してもらえないことも悔しかった。
とどめは、元夫の浮気。相手は同じアパートの1階に住む女性でした。散々いがみ合ってやっと離婚できたのに、元夫から『借金を完済したら復縁しよう』としょっちゅう電話がかかってきて、『許されるなら、自分の手で殺したい』という気持ちが消えるまで20年以上かかりました」(57才・パート)