コロナ禍から1年余、巣ごもり消費やテレワークの浸透で酒類の世界も家庭用が主戦場となった。メーカー各社は潜在的な“家飲み需要”を掘り起こそうと、様々な新商品や飲み方提案をしている。2月16日にサントリーワインインターナショナルから発売された「サントリーワインサワー(350ml缶)」もその1つ。今年1月に同社のトップに就任した吉雄敬子社長に、新商品の狙いやワイン市場の拡大戦略、これまでのキャリアの中で手掛けたヒット商品についてのエピソードなどを語ってもらった。
――「サントリーワインサワー」は、ハイボールを定着させたサントリーらしい発想の商品という印象です。販売の出足も好調なようですね。
吉雄:ワインというと、大抵の方はレストランやバーで飲まれたり、ご家庭でも年末年始やバースデーなど、ハレの日の商品として楽しまれることが多いので、少し敷居が高いとお感じになる方もいらっしゃいます。
また、私自身もそうなのですが、普段アルコール度数が5%程度のビールを飲み慣れている方は、喉ごしを感じて飲む習慣が身に付いていますので、たとえば、シャンパンもビールと同じような感覚で飲むと酔いが早く回ってしまう。そういう面から、ワインは少し心理的なハードルも上がってしまうんですね。
もともとワインも炭酸水で割る飲み方はありましたが、ワインをもっと気軽に、カジュアルに楽しんでいただきたいと考え、ワインを空けた後の瓶のゴミ処理を面倒に感じるお客様も多いことから、缶で手軽に楽しめる「サントリーワインサワー」を開発しました。