お笑いコンビ・麒麟の川島明がMCを務める朝の情報番組『ラヴィット!』(TBS)が、3月29日よりスタートした。「日本でいちばん明るい朝番組」「ニュースなし! ワイドショーなし!」を謳い文句にしている通り、グルメ情報やおでかけ情報などを紹介するバラエティ番組だ。
3月26日まで同じ枠で生放送されていた帯番組『グッとラック!』は、MCを務める落語家・立川志らくの「歯に衣着せぬ」的なコメントが特徴だったが、後継番組『ラヴィット!』は大きく方針転換したように見える。視聴率は2%台が続くなど苦戦しているが、いまや昼時間帯で盤石の地位を誇る日テレ『ヒルナンデス!』でさえ放送当初は打ち切り説がささやかれていた。今後、『ラヴィット!』にも逆転のチャンスはあるかもしれない。
その鍵を握るのがMCである麒麟の川島だろう。3月22日、『万年2番手だった麒麟川島が転生したら千鳥おぎやはぎ山里を従えるメインMCだった件』というタイトルの特番がテレビ東京にて放送された。同番組で川島は「様々な番組で裏回しやアイドルのサポート、大御所のフォローと、なにかと2番手を担っている」とネタにされていた。
たしかに押しも押されもせぬ売れっ子芸人である川島だが、メインを張るというよりは、名バイプレイヤーという印象を持っている視聴者が多いのではないか。しかし、川島はコンビで第1回「M-1グランプリ」で決勝進出を果たして知名度を飛躍的に伸ばした2001年以来、安定して実績を積み重ねている。そんな芸人を「万年2番手」と呼ぶこと自体、不思議な話かもしれない。
お笑い評論家のすが家しのぶ氏は、川島が芸人として主役になりきれなかった理由について、こう分析する。
「芸人が売れるには、自分たちがいかに面白い芸人であるかを知ってもらうために、ネタやトークで観客を笑わせる自己プロデュース力が求められます。ですが、テレビで売れるとなると、自己プロデュース力に加えて、制作陣から『この人と仕事をしたら、こんな企画を打ち出すことができそうだ』と思われるような強みも求められます。
すでに面白い芸人として認知されていた川島さんですが、その器用な仕事ぶりゆえに、アピールポイントが上手く伝わっていなかったのではないでしょうか」