今年3月に人気YouTuberが、女子高生にスマートフォンで裸の写真を撮って送らせたとして児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで逮捕され大きな注目を集めたが、この事件は氷山の一角に過ぎない。「自画撮り被害」と呼ばれる同様の被害は全国で拡大の一途を辿っているという。
警視庁のホームページ「STOP!子どもの性被害」では、児童ポルノ事件のなかでも「自画撮り被害」を深刻な問題として取り上げている。これは、「だまされたり、脅されたりして18歳未満の子供が自分の裸体等を撮影させられたうえ、メール等で送らされる被害のこと」を指す。
平成24年に207人だった被害児童数は、平成28年には480人へ増加。また被害者のうち、SNS利用者起因数、スマートフォン使用数も、被害者数と比例して増加している。若年層にスマートフォンが普及し、保護者の目が行き届かないところでSNS利用が広がるなか、そのリスクを学ぶ前にトラブルに巻き込まれてしまう場合もあるようだ。
もっとも多いのは中学生の被害、「ビデオ通話」にも要注意
こうした被害は、社会問題として見過ごせない問題だと語るのは、社会情報学を専門とする大学教員のAさん(30代)だ。
「今回、人気YouTuberが加害者であったことで注目を集めた児童ポルノ自画撮り被害ですが、これは社会問題と言っていいでしょう。被害児童の学識別割合を見ると、高校生39.2%、中学生52.7%と、中学生がもっとも多い。さらに昨今スマホを持たされる機会が増えた小学生も、全体の5.8%を占めています。東京都のネットトラブル相談件数全体を見ても、性的画像等の相談割合は全体の7.6%を占めるという結果が出ています(平成28年)。