タレント・藤田ニコル(23)が当初“おバカキャラ”としてテレビ出演していたことを知る人は、もはや減ってきているのかもしれない。「にこるんビーム」を放ち、お笑い芸人からイジられていた彼女は今いずこ。いまやメディアで「若者代表」としてコメントを発信する機会も多く、コスメなどのプロデュース業も順調。むしろ現在では「若いのにしっかりしている」的なイメージを持たれている芸能人ではないだろうか。
「みちょぱ」こと池田美優、「ゆきぽよ」こと木村有希たちと共に「ギャルタレント」として括って語られることの多い藤田だが、彼女たちに比べると芸歴は長い。2009年にローティーン向けファッション誌『nicola』のモデルとしてデビュー。『Popteen』のモデルとなった高校時代以降、“おバカタレント”として地上波テレビへの出演が増えた。
芸能界の第一線をずっと走り続けてきたからだろうか。近年の藤田は、どこか達観したような雰囲気がある。3月に登壇した映画『プリキュア』の完成披露舞台あいさつでは、「夢を全クリしてきた。お仕事面で夢を全部叶えてきてしまった」と語っていた。その後も『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、「『新しい夢は何ですか?』って言われたとき、大きな夢が言えないのが逆に今の悩み」と明かしている。
おバカキャラ、『有吉弘行のダレトク!?』(フジテレビ系、2019年終了)でのゲテモノ食い、筋トレへのストイックな姿勢、若者代表ポジション、アパレルのプロデュース……。カラフルなギャル系ファッションから大人っぽいコーディネートへと変わっていったのに合わせるかのように、藤田のタレントとしてのキャラクターは微妙な変化を遂げている。テレビウォッチャーでコラムニストの飲用てれび氏は、藤田の巧みな「変化」を評価している。
「“若者代表”の女性タレントは、これまで短期間で次々と入れ替わってきました。そんな中、藤田ニコルの活動期間は比較的長い。バラエティ番組での立ち回りの上手さなどが理由のひとつでしょうが、おバカキャラからの脱皮など、少しずつキャラクターを変化させ様々な顔を見せてきたことも大きいのでしょう。
最近では、『もう若い人の流行り言葉はあまり知らない』と語るなど、“若者代表”のポジションからも距離をとり始めているようにも思えます。何かを継続するためには状況に合わせて少しずつ変化しなければいけないと言われますが、彼女はそれを無理なく実践しているように見えます」(飲用てれび氏)