ピカピカのランドセルを背負って通学路を行く、新小学1年生たちを目にする4月。世の中の変化とともに、小学1年生を取り巻く環境はも大きく変わったている。1才から小6まで10人の孫を持つ作家のあさのあつこさんが驚くのは、子供たちが浴びる情報量だ。
「同じ小学1年生でも、私たちの時代に比べて触れている情報が桁違いに多い。昔は本当に自分たちの身の回りのことしか知らなかったけど、いまの子はネットやテレビを通じて、どこに住んでいても東京や大阪で何が起こっているかわかっています。
私の年長組の孫もYouTubeで『うっせぇわ』を見ながら、歌ったり踊ったりしています(笑い)。大量に集まる情報を消化する力は、いまを生きる子供たちにとってすごく大事なんです」(あさのさん)
国の方針も時代の流れを後押しする。文科省が全国の公立小中学校で取り組む「GIGAスクール構想」では、全児童にパソコン・タブレットなどデジタル端末を配布する。文科省によれば、3月末までに97.6%の自治体で1人1台の配布が完了したという。『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)などへの出演でおなじみの弁護士・大渕愛子さんも長男が今春新1年生となり、「端末配布」に驚く1人だ。
「ウチの子は新入生でまだ配布されていませんが、同じ学校に通うママから学習支援のために1人1台、iPadが配られたと聞き、『高価なものなのに!』と驚きました。
いまの小学生は、学校にスマホや携帯電話を持って行くことが珍しくないようです。自分が子供の頃は小1が携帯電話を持つなんて考えられなかった。そもそも存在すらなかったですが、いまはGPSで居場所を確認できるからと、安全のために持たせる親も多いそうです。小学校からスマホの正しい使い方についての冊子を配られたので、私も研究中です」(大渕さん)
共働き家庭が6割を超え、忙しく働く女性が増えたいま、ITの発達を大歓迎する母親は多い。
「保育園のママ友とはLINEでやり取りするからわざわざ会いに行く必要はないし、手作りバッグや名前シールなどの学用品は、スマホの画面から子供と一緒に選んでワンクリックで購入。学校用の雑巾をアマゾンで買ったら、実家の母は『昔は手縫いしたのに』とため息です。
テレワークになって学童に預けることが減り、忙しいときは子供にYouTubeを見させています。これだけ恩恵があるので子供がタブレットを使うのは当然と思う」(小1の娘を持つ40代会社員)