体重マイナス48kgという脅威のダイエットを成功させたクイズ作家・古川洋平さん(37才)。古川さんは人間の体の中でもっとも代謝量が多い肝臓に注目した。肝臓での代謝を高めることで、消費カロリーを増やすというダイエットを実践したのだ。
そもそも「肝臓」とは一体、何なのか。「お酒を飲んだとき肝臓が強い人は酔っ払いにくい」といったイメージはあるが、本当の役割を把握している人は少ないだろう。
主な働きは、「胆汁の生成」「解毒」「貯蔵」の3つ。食べ物の消化に必要な胆汁をつくり、アルコールや薬物などの有害物質を分解し、食べたものを体で利用できるよう栄養素に変化させたり、蓄えたりする。その過程で、エネルギーも消費される。
アルコール性肝障害を専門としてきた消化器内科医で、『肝臓専門医が教える病気になる飲み方、ならない飲み方』(ビジネス社)の著者である加藤眞三さんが解説する。
「肝臓は約1.5kgもあり、人間の体の中で最も重い臓器です。そのため、脳や心臓など、ほかの臓器よりも基礎代謝量が多い。また、肝臓が『沈黙の臓器』と呼ばれるのは、大きくて余力がたっぷりあるため、トラブルが起きても気づきにくいからです」
外見などで変化に気づくことはほぼ不可能で、自覚症状が表れたときは、すでに重度の肝機能障害になっている可能性が高い。
だが、余裕たっぷりな一方で、非常にデリケートな一面も持つ。肝臓専門医である栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅さんが説明する。
「肝臓はストレス、活性酸素、糖質の大量摂取などの影響を受けやすく、ほんの数日で数値が著しく変化することがある。実際にあった話ですが、実家から送られてきたシャインマスカットを1日ひと房、4日間連続で食べたという人が、会社の健康診断で引っかかった。ところが、病院へ診察に来たときは通常の食事に戻っていたため、数値は正常でした。このように、肝臓はすぐに生活の影響が反映されますが、回復も早いのです」