ロシアや日本、米国など6か国が参加する「世界フィギュアスケート国別対抗戦」(15~18日)が開催されている大阪では、「まん延防止等重点措置」が適用され、感染の急拡大がとどまることがない。世界選手権での銅メダル獲得から2週間、万全の体調ではない羽生結弦選手(26才)が4年ぶりに出場を決めた理由とは──。
「姿を見られるのはうれしいけど、体調が心配」「コロナのこともあるし、いまはしっかり休んでほしい」──ファンからは体を気遣う声が聞こえてくる。
3月30日に世界選手権を終え、スウェーデンのストックホルムから帰国したフィギュアスケートの羽生結弦選手。最大のライバル、米国のネイサン・チェン選手(21才)に大差をつけられ、日本の新鋭・鍵山優真選手(17才)にも敗れて3位。それでも空港では晴れやかな笑顔を浮かべていた。
「世界選手権ではフリーの直前に持病の喘息の発作による体調不良に見舞われ、髪をセットする余裕もなくリンクへ。試合後のインタビューでは、滅多に弱音を吐かない彼が『すごい疲れました』と漏らしたほどでした。それでも出場を決めたのは、北京五輪の日本の出場枠『3』を是が非でも確保したかったから。それが達成できたという点では、ホッとしているのではないでしょうか」(フィギュア関係者)
あの激闘からわずか2週間。羽生選手は早くも次の戦いの舞台に立つ。4月15日に大阪・丸善インテックアリーナ大阪で開幕する「世界フィギュアスケート国別対抗戦2021」に、日本代表の一員として臨むのだ。彼が国別対抗戦に出場するのは、2大会ぶり3度目となる。
「ランキング上位の6〜7か国が出場し、男女フリー、ペア・アイスダンスの総合成績で、世界最強の国を競い合う団体戦です。2009年に始まったばかりで、まだ歴史が浅い。シーズン最終戦ということで一足早く休養に入ってしまう選手は欠場するなど、必ずしもトップ選手が勢揃いするわけではない。
正直、羽生選手が出場すると聞いたときは驚きましたね。今大会にはチェン選手も米国代表として参加するので、大いに盛り上がることは間違いありません」(前出・フィギュア関係者)
さらに国別対抗戦が終わると、アイスショーの「スターズ・オン・アイス」の横浜公演(22~25日、横浜アリーナ)、そして八戸公演(28~30日、青森・フラット八戸) への出演が決まっている。なぜ羽生選手は自らにむち打つようにリンクに立ち続けるのか。