武蔵野台地の東端部に位置する東京都心部は、いくつもの川筋によって谷が刻まれた「谷のワンダーランド」だ。3方向以上を丘に囲まれた窪地を“スリバチ”と定義している東京スリバチ学会・皆川典久会長の案内のもと、フリーアナウンサー・神田愛花さんと東京のスリバチ地形を紹介しよう。
高輪の高台から品川の低地へ下る階段
【位置】港区高輪4-18付近の細い路地を東に入る。
江戸時代末期のペリー艦隊来航を機に、防衛政策でお台場を海上に築造するために使う土砂を採取したことによりできた窪地。高層ビルが建つエリアは当時、海だった。
3つの階段に囲まれた「不動谷の窪地」
【位置】新宿区中落合3丁目の厳島神社付近
明治時代の字名が「不動谷」と呼ばれた谷筋の谷頭にあたり、3つの階段で窪地を実感できる。山手通りと目白文化村の造成の際に谷の出口側が土盛りで塞がれ、4方向を丘で囲まれる地形に。