ISSに人が滞在するのが当たり前になった時代、金井氏のこうした言葉は、彼らが「新世代」と呼ばれる所以でもあると感じたからだ。また、金井氏と同じ「新世代」の一人である油井亀美也氏は次のように話している。
「いま、私たちが行く宇宙ステーションの軌道は、宇宙と言っても海で言えば踝くらいまで水に浸かってみた、というレベルの場所です。これから真の意味での大航海時代を迎えて欲しい、という思いがあります」
例えば、その地球低軌道から離れていくとき、宇宙に浮かぶ地球を見る自分にどんな感情が生じるのか。そのことは大きな関心の一つであり続けている、と油井氏は続けた。そこから浮かび上がるのは、米国による月やその軌道での有人宇宙開発の計画が始まるいま、さらに「遠く」を見据える日本人宇宙飛行士の姿だろう。
※週刊ポスト2021年4月30日号