俳優・東出昌大が今秋公開の映画『草の響き』(斎藤久志監督)で3年ぶりに主演を務めることが発表されるとネット上は大荒れ。不倫離婚の余波はいまだ大きいようだが、「プライベートのことは抜きにしても、俳優として演技力無いのによく主演できるなって不思議に思いました」といった演技に関する辛辣なコメントも並んでいる。
「大根」「棒演技」などと辛口な批判をされることが多い東出だが、なぜスキャンダル後も映画出演が途絶えないのだろうか。実は東出には、名だたる監督たちからその演技力を評価されている事実があるのだ。
東出の出演作『スパイの妻』でベネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した黒沢清監督は、彼の演技について「僕は大好き」「あやしいんですよね。妖怪の“怪”のあやしさもあるし、“妖”のあやしさもある。あやしさを持っていて、出てきた瞬間に何かが起こりそうなところが大好き。そのあやしさをふんだんに発揮してくれました」と舞台挨拶で大絶賛している。
女優・唐田えりかと不倫するきっかけとなってしまった主演作『寝ても覚めても』の濱口竜介監督も公開当時のインタビューで東出の魅力を熱弁。「まず、第一に“外見”。そこが(東出が演じた役の)麦に必要な要素でした。とても大きいから、集団のなかでもひときわ目立つし、黙って立っている時の異質な感じがすごい。また、カンヌで実感したんですが、本当にきれいな顔をしていて、とてもミステリアスな印象を受けます」と褒めちぎっていた。ちなみに濱口監督は今年のベルリン国際映画祭で審査員グランプリを受賞しており、東出が日本を代表する監督たちに愛されているのは間違いない。