ソト、オースティンという外国人打者が戻ってきても、DeNAが勝てない。4月22日の中日戦も0対1と接戦を落とし、2引き分けを挟んで10連敗となった(記録は4月22日現在。以下同)。12戦連続3点以下と打線が繋がっていない。プロ野球担当記者が話す。
「ソト、オースティンの2人は実戦を積まず、いきなり公式戦に入ったため、すぐに結果を求めるのは酷です。開幕前に外国人を来日させられなかったフロントの責任はもっと追及されるべき。また、開幕に間に合わないと分かっているのに、トレードなどで補強もしなかった。黙って現場に任せるだけでは、何のためのフロントかわかりません」
昨年オフ、リーグ2位の打率3割2分3厘を残した梶谷隆幸、先発の一角として6勝を挙げた井納翔一がFAで巨人に移籍した。しかし、ドラフトを除けば、野手は梶谷の人的補償として巨人から田中俊太、投手はヤクルトを戦力外になった風張蓮、新外国人のフェルナンド・ロメロを獲得した。とはいえ、抜けた戦力を考えると、とても大型補強とは言い難いだろう。
「若手の成長を促すといえば、聞こえはいいでしょう。それなら、なぜコーチを留任させたのか。Bクラスに転落したラミレス監督を辞めさせたが、同じく結果を残せなかったコーチ陣は1、2軍を入れ替える程度で残留させた。責任を取って辞めるという首脳陣が出ないのも不思議でした」
ラミレス体制では5年間で3度Aクラスになり、2017年は日本シリーズにも進出した。もう一歩で優勝という期待も膨らんだ。そのチームの弱点は正捕手を固定できないこと、機動力を使えないことだった。ここ数年、DeNAには戸柱恭孝、嶺井博希、伊藤光、高城俊人という正捕手候補がいるが、誰もレギュラーに定着できていない。
「ラミレス監督は就任当初、戸柱を評価していましたが、まだ伸び悩んでいる。オリックスから移籍の伊藤光は移籍2年目の2019年オフに4年契約を結んだものの、翌年以降は低迷している。高卒1年目でスタメン出場をした高城俊人は一度、オリックスに移籍し、2020年に出戻りしたが、今季1軍出場なし。どの選手も潜在能力はあるはず。コーチの育成能力にもっと焦点を当ててもいいのではないでしょうか」
最近5年のバッテリーコーチ(補佐やブルペン担当含む)は、2017年は光山英和(1軍)、山下和彦、藤田和男(2軍)、2018年は光山、藤田(1軍)、新沼慎二、靍岡賢二郎(2軍)、2019年は鶴岡一成(1軍)、新沼、靍岡(2軍)、2020年は藤田(1軍)、鶴岡、新沼(2軍)、2021年は新沼、藤田(1軍)、鶴岡(2軍)となっている。