昨年12月の戸田恵梨香(32才)と結婚後、初の主演ドラマとして今クール2作に登場している松坂桃李(32才)。映画ではその演技力が評価され数々の受賞歴がある松坂が、ドラマでも「人気イケメン俳優」のポジションを脱却するか、注目を集めている。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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4月30日夜、松坂桃李さんの主演ドラマ『あのときキスしておけば』(テレビ朝日系、毎週金曜23時15分~)がスタートしました。同作で松坂さんは、愛する女性の魂が中年男性に乗り移ってしまい困惑するスーパーの青果店員を演じています。
また松坂さんは1週間前の24日にも、主演ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK、毎週土曜21時~)がスタートしたばかり。こちらの作品では、アナウンサーから大学の広報マンに転職した男性を演じています。
特筆すべきは、民放のテレビ朝日と公共放送のNHK、ゴールデン帯の21時台と深夜帯の23時台、ファンタジー作と仕事ドラマという異なるテイストの2作で、同時期に主演を務めていること。つまり、それだけ幅広い評価を集めているということでしょう。
松坂さんと言えば、かつて俳優デビューをスーパー戦隊シリーズの『侍戦隊シンケンジャー』(テレビ朝日系)の主演で飾ったド真ん中のイケメン俳優。映画業界では『アントキノイノチ』『ツナグ』『娼年』『孤狼の血』『新聞記者』などで数々の受賞歴を持つ一方、テレビ業界ではドラマ、バラエティの両方で“人気イケメン俳優”というポジションが続いていました。
また、松坂さんは昨年12月に戸田恵梨香さんと結婚してから初の主演ドラマであり、しかも2作であることから、「いよいよテレビでも“人気イケメン俳優”を完全に脱却か」と言われているのです。
「振り回される男」の役は評価の裏返し
まだまだドラマの主演俳優は、演技力と同等以上に人気をベースに選ばれるところがあり、その意味で“人気イケメン俳優”の中には結婚を機に主演作を減らしてしまう人が少なくありません。その点、松坂さんは「結婚しても人気を損ねることなく、映画出演で演技力を認められている」という最高の状態。今春の2作でイケメン俳優というポジションを脱却できる可能性は高いでしょう。