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ドン・ファン事件 “満面の笑み”に見る容疑者の「満足」と「自信」

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和歌山県警田辺署から送検される須藤早貴容疑者(写真/時事通信社)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、3年前に起きた紀州のドン・ファン事件で逮捕された須藤早貴容疑者について。

 * * *
 元妻が逮捕されたと聞き、やっぱりと思った人も多いだろう。2018年5月、和歌山県田辺市の資産家、“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助さん(当時77才)が死亡した事件で、和歌山県警は4月28日、元妻の須藤早貴容疑者(25才)を殺人容疑で逮捕した。

 野崎さんの事件は当時、大きなニュースになった。死亡原因は急性覚醒剤中毒だが、注射した痕もなく、致死量を上回る覚醒剤を口から摂取したと思われる変死。自宅2階にある寝室のソファで発見された時、自宅にいたのは元妻の須藤容疑者と家政婦のみだった。

 県警の捜査状況だけでなく、亡くなる約2週間前に愛犬が急死していたことや、55才離れた須藤容疑者と結婚したのは亡くなるわずか3か月前だったこと、容疑者は和歌山と東京のマンションを行き来し、毎月の手当てとして100万円をもらっていたことなどから、財産目当ての結婚、殺人ではないかと話題になった。あれから3年、犯人はまだ逮捕されていなかったのだと改めて事件のことを思い出した。

 逮捕により須藤容疑者の名前と顔が公表された。当サイト「NEWSポストセブン」でも28日、「紀州のドン・ファン事件 喪主挨拶する須藤早貴容疑者の姿、通夜では怒号も」、「独占映像入手 紀州のドン・ファン事件、元妻は葬儀当日スマホいじって笑顔」と題した記事に、葬儀当日の容疑者の様子が分かる映像や写真がアップされた。記事によると、葬儀では喪服を着ているものの、靴はグレーだったという。急死といえ、喪主である妻が黒い靴ではないというのはおかしな話だ。用意する必要性を感じなかったのだろうか。

 写真の中には、野崎氏の自宅で、白いソファに座ってスマホをいじりながら、満面の笑顔を見せている容疑者の姿があった。口角も頬の筋肉も持ち上がり、眉もアーチ型に上がっている。そこからは悲しさや辛さは微塵も感じられず、喜び、嬉しさ、楽しさ、そんな感情しか伝わってこない。彼女は向けられたカメラに向かって、これらの感情を隠そうとも偽ろうともしていない。夫が亡くなった当日だというのに驚くばかりだ。

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