女性アイドルグループSKE48 の現役メンバー荒井優希(22)が、「東京女子プロレス」後楽園ホール大会(5月4日に無観客で開催)から本格参戦を始める。過去にはビューティ・ペアがアイドル的な人気を博したが、近年、アイドルと女子プロレス、ふたつのジャンルの距離はさらに縮まっている。両ジャンルに詳しいエンタメライターの原田イチボ氏が解説する。
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2000年代から始まった何度目かのアイドルブームとは、「泥臭さ」が称賛されるカルチャーだった。初めから洗練された存在を神聖視するのではなく、夢を目指す道のりの上で、苦悩しながら少しずつ成長していく等身大の少女たちに感情移入し応援するのが、アイドルの楽しみ方として広がった。
この楽しみ方は、女子プロレスにも通じるものだ。48グループを手掛ける秋元康プロデューサーは、かつて「プロレス版おニャン子クラブ」として旗揚げされたジャパン女子プロレスにも関わっていた。残念ながらジャパン女子プロレスは短命に終わったが、秋元氏の中で、「アイドル×女子プロレス」というアイデアは残り続けたのだろう。
秋元氏はその後、アイドル同士を競わせるAKB48選抜総選挙を生み出した。自身の命運を賭けた勝負に少女たちが挑む様子は、その熾烈さゆえに熱狂的な支持を集めた。さらに2017年には、ずばりプロレスそのものをテーマにした、48グループの人気メンバーが多数出演するドラマ『豆腐プロレス』(テレビ朝日系)が放送された。同ドラマの公式サイトにおいて、秋元氏は「アイドルは、プロレスである。パフォーマンスの一回、一回が試合のようなものだ」と断言している。
近年は、アイドルが女子プロレスラーに転身する例が増えている。女子プロレス団体「スターダム」で現在タイトル2冠に輝く中野たむは、アイドルユニット「カタモミ女子」の元メンバーだ。他にもスターダムには、ひめか(元スルースキルズ)、上谷沙弥(バイトAKB)などアイドル経験のある選手が多数リングに上がっている。