芸能

ソロデビュー50周年の沢田研二、“意外な顔”見せ続けた役者としての姿

ジュリーはヤクザ相手にまったくひるまなかった(共同通信社)

ジュリーがこれまで役者として見せてきた姿とは?(共同通信社)

 70代になってからも歌手として活躍を続ける沢田研二(72歳)。今年、ソロデビュー50周年を迎えている。役者としても、これまでさまざまな素顔を見せてきた。そんな“役者ジュリー”についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 今年ソロデビュー50周年となるジュリーこと沢田研二は、1967年、GSバンド、ザ・タイガースのボーカルとして熱狂的な人気を誇り、1971年ソロデビュー後は、甘美な歌声と斬新なコスチュームでヒットを連発。押しも押されもせぬトップシンガー・ジュリーは、多くの名監督から出演を熱望される俳優でもある。

 5月以降、CSで多くの出演映画が放送されるが、そのラインナップを見て驚くのは、アイドル映画からシリアスな問題作、伝奇時代劇までジャンルが幅広いこと、どの作品でも「これがジュリー!?」と意外な顔を見せることだ。

 たとえば1972年の『虹をわたって』は、当時、人気絶頂の天地真理のアイドル映画。家出したのにいつも鼻歌を歌っているような陽気な娘マリ(天地)を巡る騒動を描く。沢田は白馬ならぬ白いヨットに乗った王子様という姿で登場。

 だが、ふたりを乗せたヨットは嵐に巻き込まれる。ジュリーは、ソロデビュー曲『君をのせて』をギター弾き語りする。

 単独初主演作となった1974年の映画『炎の肖像』は、沢田が刹那的に生きる“ジュリー”という名のロック歌手として登場。いきなり傷だらけで出てきたジュリーは、そのまま謎めいた女、絵里(中山麻理)と一夜を共にする。しかし、彼女は自殺。彼は戸惑い、彷徨いながら、絵里の身内の少女と知り合う。ロマンポルノでも活躍した藤田敏八・加藤彰両監督演出によるセクシー女優中山との熱烈ベッドシーンは衝撃的。実際のライブシーンが織り込まれ、インタビューも素顔のジュリーで、虚実が入り混じる異色作となっている。

 名優・菅原文太との1979年の共演作『太陽を盗んだ男』は、なんと原爆を手製する中学教師役。交番で拳銃を奪い、プルトニウムを盗みだして手製の原爆を作り上げる男は、旧知の山下警部(菅原)を指名して無茶な要求を重ねる。その要求とは、あのバンドの日本公演を実現させること! 激しいカーチェイス、警部との死闘、強烈なラストシーン、今も多くの映画ファンに語り継がれる作品だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン