さらに“ゴリエ”は「くらしのマーケット」のテレビCMにも起用され、15年ぶりに地上波に登場することとなった。なぜ今、ここまで人気を集めているのだろうか。全盛期の『ワンナイR&R』時代を振り返りつつ、お笑い評論家のラリー遠田氏はこのように説明する。

「かつてゴリエが人気を博していた理由は、単なるコントの中のキャラクターにとどまらない魅力を持っていたからです。具体的に言うと、ポップな外見と、圧倒的なダンスの上手さと、コミカルな動きや表情の面白さです。ゴリさんは芸人の中でも抜群の身体能力を持っており、それが存分に生かされていました。

 男性芸人がコントで女性のキャラクターを演じると、多かれ少なかれ違和感が出てしまうものですが、ゴリエにはそれがほとんど感じられませんでした。動きにキレがあって、仕草や話し方も女の子っぽい。そこを徹底していたからこそ、女性や子供のファンも多く、万人に愛されるキャラクターに成長しました」

 さらにラリー遠田氏は、今の時代に“ゴリエ”が復活を遂げた理由について、こう続ける。

「最近、ゴリエが再注目されているのは、当時ゴリエを好きだった人たちが改めてその魅力に気付かされたということ。先の見えないコロナ禍という暗い時代状況にあって、底抜けに明るいゴリエのキャラクターに希望を感じるということもあるのでしょう」

 ハイテンションなキャラクターで視聴者を元気づける一方、出身地である沖縄を舞台に“生と死”という普遍的なテーマを映画作品として提示するゴリ=照屋年之。芸人兼映画監督としてユーモアとシリアスの両輪を打ち出す彼の活動は、今後ますます注目の的となっていくのかもしれない。

◆取材・文/細田成嗣(HEW)

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