今年の私立大一般選抜は、戦後最大となる12%の志願者減に終わった。コロナ禍への不安から地元中心の志望校選びに変え、学部・学科選びにも影響を与えたものと見られる。
学部系統別の人気を見ると、集計した大手100大学では、志願者が昨年より増えた学部系統はなかった。比較的減少幅が低かったのが、社会福祉、情報・メディア、獣医、経済、理工系、医、社会の順だった。文系、理系のはっきりした人気の分かれ方も見られなかった。
コロナ禍で人気を落とした「国際・外国語・観光」学部
また、コロナ不況が取りざたされているが、そういった時に人気になる医療系はそれほど志願者が増えなかった。薬が12.4%減、看護が12.8%減、医療技術が13.7%減だった。
医学部はまだ人気を集めたほうだが、コロナ禍が未知のウイルスによるものということもあり、受験生の関心は高くなったものの、院内感染、医療崩壊などのマイナス報道も相次ぎ、人気が集中することはなかった。むしろ、理系では情報・メディア、情報系学科のある理工系の人気が高まった。
また、国際、外国語が約2割、観光が約3割の志願者減。いずれもコロナ前は人気だった系統だ。志願者減の要因は、コロナ禍によって留学ができないことが大きい。観光は航空、旅行代理店などで、大学新卒採用を控えることなどから敬遠されたと見られる。