狂気じみた怪演をしたかと思えば、陽気で気さくな演技まで。主役も張れば、脇も固める。強烈な存在感と圧倒的な演技力で、日本を代表する俳優の1人として知られる佐野史郎(66才)が異変を感じたのは、4月上旬のことだった──。
「本日から佐野史郎さんの代役で、水口武史役をやらせていただく平田満です」
現在放送中のドラマ『リコカツ』(TBS系)がクランクインしてから2か月が経ち、放送はすでに3話まで終了している。緊張感に包まれた現場に、突然の代役登板となった平田満(67才)の声が響いたのは、5月初旬のことだった。
運命的な出会いで“交際ゼロ日婚”をしたものの、価値観の違いから大げんかが絶えず、新婚早々離婚を決意──今作の3話まで北川景子(34才)演じる主人公の父親役という、重要な役を演じてきたのが佐野史郎だ。
美人の妻がいるのに若い女性と堂々と浮気するなど、危なっかしい父親を演じ、視聴者をドキドキさせてきた佐野が「体調不良」のため、突然降板することになってしまったのだから大変だ。
「4月中旬、39℃の発熱があったため、新型コロナの可能性もあるということですぐに病院を受診。PCR検査を行ったところ陰性だったが、その後に受診したクリニックの医師に“放っておくと死に値するほど、腎臓の数値が悪い”と言われ、すぐに入院することになりました」(ドラマ関係者)
腎臓機能障害が明らかになり、少なくとも1か月は仕事ができない状態のため、スタッフは急いで代役探しに奔走。佐野が緊急入院を言い渡されてから1週間後には、平田の撮影スケジュールが組まれたという。
一般的に腎機能が低下すると、体内から老廃物が排泄されなくなり、腎臓の働きが30%以下になったら腎不全と診断される。吐き気や食欲不振などが腎不全の主な症状で、自覚症状があると病状が進行しているケースが多い。腎不全には急性と慢性があるが、前者なら治療によって改善の余地があるとされる一方、後者は現代の医学では改善が難しいといわれている。
「今回、佐野さんの事務所からは具体的な症状は発表されていませんが、責任感の強い彼が降板するほどですから、医師が言ったとされる“死に値する”というのは大げさではなく、相当、深刻な症状だった可能性があります。
3話目の撮影時、佐野さんはいつも通り演技されていましたし、傍目には元気そうに見えました。いま思えば、周囲に心配をかけまいと必死に平静を装っていたのかもしれません。ものすごいプロ意識だと思います」(前出・ドラマ関係者)