インターネットの無料動画サイトや、サブスクリプション型音楽配信サービスの普及・浸透を背景に、日本のシティポップがアジアや英語圏でも評価され、世界中で人気となっている。
「最近は、海外のユーザーも日本の若者も、スマホなどを通じて、サブスクで音楽を聴いています。サブスクは、定額料金を支払えば、一定期間、数百万曲が聴き放題になるサービスです。歌手や作家には、基本的に再生回数に応じて利益還元される仕組みです」
と、音楽ジャーナリストの柴那典さんは解説する。
特に、松原みきの『真夜中のドア~stay with me』(1979年リリース)は、インドネシアの女性YouTuberがカバーして配信したのを契機にファンが急増。音楽配信サービス『Spotify』では再生回数が4600万回を突破。『Apple Music』でも90か国以上でヒット中だ。
「1970~1980年代の日本のシティポップ人気は、音楽シーンの主流派とは違い、海外のマニアックなファンの間で盛り上がっているニッチな動きといえます。とはいえ、日本の音楽に従来アクセスできなかったアジアや英語圏のファンが耳を傾けている、国も時代も超えた現象である点で画期的です」(柴さん)