“紀州のドン・ファン”こと資産家の野崎幸助氏(享年77)が2018年5月に変死してから3年の時を経て、和歌山県警は元妻の須藤早貴容疑者(25)を殺人容疑で逮捕した。いまだ詳しい経緯や動機は謎のままだが、殺害直前、元妻と55歳年上夫に起きていた“異変”について、本誌・週刊ポストは重大証言を得た──。
和歌山県警は須藤容疑者が致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとしているが、逮捕につながったのは容疑者のスマホ解析だった。
「大阪で現在服役中の覚醒剤の売人とSNSで連絡を取っていたことがわかり、すでに証言も得ているようだ。覚醒剤を入手した日付も特定し、須藤容疑者の動きを重ねることで、立証可能と判断したと見られる」(和歌山県警担当記者)
野崎氏が経営していた会社の元従業員は思い当たることがあるという。
「社長が亡くなる1か月くらい前から早貴さんは自動車学校に通い出し、免許を取るとすぐに『大阪に行く』と言って車で出て行った。大阪に行った時期は5月に入ってすぐで、その直後の5月6日に社長の愛犬イブが死に、24日に社長が亡くなったんです」
死亡当日、野崎氏はいつものように未明に起床して会社に仕事に行き、正午前後に帰宅。須藤容疑者とともに家政婦が作った昼食を食べた後、昼寝のために2階の寝室に向かった。
家政婦が“2人きりになれるように”と気を利かせ、夕食のうどんを用意して外出。野崎氏は「食欲がない」と言って手をつけず、ビールを少し飲んだだけで寝室に引き上げた。そして夜10時頃、帰宅した家政婦とともにバラエティ番組を見終わった須藤容疑者が2階に上がり、変わり果てた野崎氏を発見したのである。
事件直後はこの家政婦にも疑いの目が向けられた。彼女の知人が明かす。
「実は、須藤容疑者が逮捕された直後、彼女に電話したんです。『ついに逮捕されたね』って言ったら、『うん、今ニュース見てるよ』って。落ち着いた様子で、『これで私の疑いが晴れたのは間違いないね』と言っていました」
一方の須藤容疑者は、夫の突然の死にもかかわらず悲しむ素振りすら見せなかったと、関係者は口を揃える。葬儀ではヘラヘラした態度に野崎氏の親族が怒り出し、「なんで笑うんや」「死んで嬉しいんかい」などの怒号が響く場面もあったという。