中国では、初めての国産の航空母艦「山東」が母港の海南省三亜市の海軍基地から出港して間もなくして、1日以上も動かなくなった様子が衛星で捉えられた。さらに、もう1隻の空母「遼寧」もやはり公海上で1日以上も止まったままになり、その様子が米海軍艦船によって撮影、公表された。ネット上では「中国の空母はそろいもそろって張子の虎。実戦では全く役に立たないことが証明された」と揶揄する声が出ている。
これに対して、中国国防省スポークスマンは定例会見で「中国の空母は、家に引きこもっているオタクではない。空母の長距離航行能力はすでに証明済みだ」と述べるなど、中国空母の「張子の虎」説に真っ向から反論した。スポークスマンがネット上での書き込みに、むきになって反発するのは極めて珍しいが、中国軍内部でも2隻の空母の能力に疑問の声が上がっているようだ。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。
軍事情報を発信するSNS「新・二七部隊軍事雑談」は4月下旬、「衛星写真では、中国空母『山東』は出港してからすぐの三亜市外海の東部で停泊しており、昨日の位置と変わっていない。1日以上動いていないことになる」と投稿した。
中国初の空母「遼寧」も4月初旬、母港の山東省青島港を出航してフィリピン海で軍事訓練に参加した後、帰路についたが、その途中で、三亜港から東290キロの外海で1日以上動かなかったことが米海軍などによって確認されている。その時の様子について、米海軍は第7艦隊所属のイージス艦「マスティン」の艦長が両足を欄干にのせたまま、海上の「遼寧」を眺めている写真を公表した。
ネット上では、「戦闘状態だったら、遼寧は米海軍のミサイル攻撃などで間違いなく撃沈されている」「このように24時間(各国に)監視されていては、どうやって台湾を侵攻するのか」などとの声が寄せられた。