歳を重ねればいつかは訪れるの“もの忘れ”の不安。加齢によってもの忘れが多くなるのは不自然ではないが、認知症は脳の異常が要因で、忘れた自覚すらない。
認知症にはアルツハイマー病、血管性認知症などの種類がある。このうちアルツハイマー病は、アミロイドβというタンパク質が脳の神経細胞に沈着して引き起こすが、発病の20年前からリスクを検出する検査が存在する。
日本で唯一の「健脳ドック」で認知症発症を予防する
現時点でアルツハイマー病の発症リスクを検出する最も有効な検査が、アミロイドPET検査だ。
認知症の予防・治療の第一人者、新井平伊医師が院長を務めるアルツクリニック東京は2019年、世界に先駆け、アミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。
「この検査はアミロイドβに取り込まれる性質を持つ放射性製剤を投与し、MRIなどには写らない沈着を画像で確認できます。日本で普及している脳ドックはMRI検査が中心で脳動脈瘤、血管性認知症などの発見には有効ですが、アルツハイマー病の早期発見には十分な検出能力はありません」(新井医師)
最先端の検査薬が高額な上、健康保険適用外のため、健脳ドックの費用は税込で66万円。新井医師は診断や治療に役立つことを広め、健康保険の適用を目指したいとしている。