スポーツ

3連単払い戻し2万150円で連敗脱出 万馬券を当てた作家の喜びと感慨

「JRA重賞年鑑」にも執筆する作家・須藤靖貴氏がついに…(イメージ)

「JRA重賞年鑑」にも執筆する作家・須藤靖貴氏がついに…(イメージ)

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない“夢の馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏は、ついに万馬券を的中。その喜びと、同時にわきあがった複雑な感慨についてお届けする。

 * * *
 迫力配当の道遠し。3連単5頭ボックスは空振り続きで、ついに編集部からムチが飛んできた。「読者もシビレを切らす。的中馬券を載せろ! ダメなら別の話題に替える!」。テコ入れですね。

 そんなおり、再読中のミステリーの一節に目が止まった。コリン・デクスターの『ウッドストック行最終バス』。名物キャラのモース警部が犯人を絞りこむ推理が笑えるのだ。条件を満たす対象を段階的に絞っていく。「35~50歳の男、妻帯者、酒飲み、ハンサム、赤い車所有」という具合。さらに絞りこみ、机上の推理のみで犯人が特定されるのだった(もちろんハズレ)。

 競馬予想そのものではないか。頭を抱える警部に自分がダブる。こっちのほうが難事件。ミステリーの多くは単独犯だが、「3連単犯」は3名。順番も正しく当てなくてはならぬ。ただし容疑者は多くて18名。クリスティ女史原作のような想定外の犯人というのは、まあありえない。

 ある日の中山。3歳未勝利、芝のマイル戦に目を付けた。16頭立てだ。内枠の先行馬が有利といわれるコース。1番人気は(15)の差し馬だが2着か3着までという可能性も大いにある。ホンボシは別にいる。

(4)(5)(6)(7)(15)の3連単5頭ボックスで勝負!

 ただし1~3人気を押さえた(いつもは人気馬は2頭だけ)。大型連敗を止めたいのである。

 これが来た! (15)と(5)がハナづらを揃えてゴール、3着は(6)。初めての3連単5頭ボックス的中に、私の尻が1センチほど浮きあがった。

 もろ手をあげたあとで目を凝らした。(5)は4番人気。(5)(15)(6)と(15)(5)(6)とではまるで配当が違う。実に際どい勝負で、肉眼では同着に見える。写真判定の時間も長い。私の脳内は「(5)! ぜったい(5)! お願いだから(5)!」である。

 ちょっと待て。同着なら2通りの配当が手に入る。3連単ボックスの例外的2点的中だ。いわば真犯人が2人。脳内から(5)が消えて「同着!」に切り替わった。なんという身勝手さか。ただし同着に1番人気が絡む場合、トータルの配当はそれほどでもないらしいけど。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン