年齢を重ねたことによる肉体の変化を、毎日続く日常への「スパイス」と捉える発想の転換は、誰の人生にも必要な柔軟さだ。
しかし、現実には年齢を重ねるほど、新たな試みは億劫になりやすい。
スポーツに限らず、遅咲きの人生を目指す人々に対して山本さんは、「三日坊主でも構わない」とアドバイスする。
「新しいことには失敗がつきものですが、中高年になるほど失敗を嫌がってなかなか挑戦ができません。でも、大事なことはその意欲であり、別に三日坊主でも構わないんです。仮に、1年間ずっと3日坊主を繰り返せば、100以上チャレンジしたことになります。ぼくのアーチェリーの練習だって、実は三日坊主の繰り返し。同じことばかりしていないから、40年以上経ってもまだ続けていけるんです」
そう微笑む山本さんの現在の目標は、2024年のパリ五輪出場だ。「中年の星」は、60代で迎える五輪で、もうひと花咲かせるつもりだ。
※女性セブン2021年5月20日・27日号