放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、ラジオ番組で誕生した松村邦洋と磯山さやかのモノマネコンビについてつづる。
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似顔絵とものまねがやっぱり面白い。とても似ているのに少しズラすともっと面白い。
今やものまね界では「名人」とすら呼びたいのが松村邦洋。月曜から金曜まで放送している『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)金曜日が私とこの松村と磯山さやか。磯山は元々(今でも)グラビアアイドルではあるのだが、その芸ごとへのスピリッツを買われ、志村けんの舞台『志村魂』のレギュラーへ。同時にラジオで私やらテリー伊藤と丁々発止やるものだから、芸界では「日本一のおやじ転がし」と称賛される。
ある日の生放送中、私が松村に「林家ペー」を振ると達者な芸で有名人の誕生日をスラスラ。そこへパー子の声が奇跡的に入り「アーハッハッ、キャーッやだ。カシャッカシャッ(カメラ音)」これには私もおどろいた。
桜井長一郎から片岡鶴太郎までものまねを聞いてきた私だが“笑い声”だけでここまで似ているとは。不思議な才能が一気に花開いた磯山、すっかり相方となった名人松村とコンビ芸を開発。パー子の特徴的な笑い声を発見・発明した磯山だが、考えてみれば松村も私の笑い声「バウバウ」を発明して世に出たのだった。
この後も安倍元総理と昭恵夫人やらニュースの渦中にある籠池夫妻。そして遂に自撮りのフワちゃんまでいきなり出来ちゃったのだ。「うるさいー、見て見てツメ可愛い」この瞬間を聞き逃さなかったのが“面白さに気付く瞬発力関東一”の爆笑問題太田光だ。ラジオの深夜放送でやたら吹聴してくれたり、名古屋のテレビ、くりぃむしちゅーの上田とやっている『太田上田』に磯山・松村を2週にわたって取り上げてくれたりでごく一部のマニアの間で大評判。
そこへ名乗りをあげてくれたのが声優界人気投票ナンバーワン、もはや日本一の声である花澤香菜(『鬼滅の刃』甘露寺密璃)。