芸能

「落語を形で欲しい」という声に応えるディスク・オンデマンド

ディスクには三遊亭兼好の独自演出も(イラスト/三遊亭兼好)

ディスクには三遊亭兼好の独自演出も(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接してきた。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、三遊亭兼好の独自演出が楽しめるアマゾンのディスク・オンデマンドによる落語会についてお届けする。

 * * *
 DVDボックス「談志大全」(上・下)などの発売元である竹書房が昨年から今年に掛け、アマゾンのディスク・オンデマンドで三遊亭兼好のDVDを3タイトル発売したのを最近知って、即座に購入した。ディスク・オンデマンドとは注文に応じてアマゾンがCDやDVD等を製造して届けるサービスのことだ。

 昨年来のコロナ禍により落語会のオンライン視聴という楽しみ方が定着したが、竹書房は生配信ではなく落語会で収録した映像を後に配信する落語動画配信サービス「落語オンデマンドby竹書房」を昨年9月にスタート、録画視聴チケットを毎月第4金曜日に新配信してきた。だが「動画は配信ではなくDVDという形で欲しい」という落語ファンもいる。

 今や少数派であるそうした層のニーズにも応えるには、在庫を抱えなくて済むアマゾンのディスク・オンデマンドはうってつけだ。

 今回購入したDVDは『三遊亭兼好噺し問屋「お菊の皿」「紙入れ」』と『三遊亭兼好噺し問屋「大工調べ」「富久」』、そして『三遊亭兼好横浜ひとり会「粗忽の使者」「明烏」』。このシステムを利用するのは初めてだが、注文した翌日に3作とも届いた。便利なものだ。

 兼好は長年自主興行の独演会「人形町噺し問屋」を日本橋社会教育会館で続けてきたが、昨年は2月以降中止となり、8月に観客数半減で再開した。『お菊の皿』はその8月の高座。『紙入れ』はその翌月、『大工調べ』は翌々月の高座で、『富久』のみ“コロナ以前”の2019年12月に収録されている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
《“ミスター”長嶋茂雄さん逝去》次女・三奈が小走りで…看病で見せていた“父娘の絆”「楽しそうにしている父を見るのが私はすごくうれしくて」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ犯から殺人犯に》「生きてたら、こっちの主張もせんと」八田與一容疑者の祖父が明かしていた”事件当日の様子”「コロナ後遺症でうまく動けず…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「本人にとって大事な時期だから…」中居正広氏の実兄が明かした“愛する弟との現在のやりとり”《フジテレビ問題で反撃》
NEWSポストセブン
デフサッカー男子日本代表が異例の活動中止に…(時事通信フォト)
【デフリンピック半年前の騒動】デフサッカー男子日本代表が異例の活動中止「監督は聴覚障害に理解があるはずでしたが……」 ろう者サッカー協会が調査へ
NEWSポストセブン
長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督からのメッセージ(時事通信フォト)
《長嶋茂雄さんが89歳で逝去》20年に及んだ壮絶リハビリ生活、亡き妻との出会いの場で聖火ランナーを務め「最高の人生」に
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「兄として、あれが本当にあったことだとは思えない」中居正広氏の“捨て身の反撃”に実兄が抱く「想い」と、“雲隠れ状態”の中居氏を繋ぐ「家族の絆」
NEWSポストセブン
今年3月、日本支社を設立していたカニエ・ウェスト(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストが日本支社を設立していた》妻の“ほぼ丸出し”スペイン観光に地元住人が恐怖…来日時に“ギリギリ”を攻める可能性
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《子どもの性別は明かさず》小室眞子さんの第一子出産に宮内庁は“類例を見ない発表”、守谷絢子さんとの差は 辛酸なめ子氏「合意を得るためのやり取りに時間がかかったのでは」
NEWSポストセブン
現在、闘病中の西川史子(写真は2009年)
《「ありがとう」を最後に途絶えたLINE》脳出血でリハビリ中の西川史子、クリニックの同僚が明かした当時の様子「以前のような感じでは…」前を向く静かな暮らし
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン