NHK連続テレビ小説・104作目『おかえりモネ』が好スタートを切った。同ドラマは放送前から、朝ドラ好きから大きな期待をかけられてきた。なぜならヒロインを務める清原果耶(19)は、「NHKの秘蔵っ子」とも言える存在だからだ。
清原がデビューを飾ったのは、2015年度下半期に放送された連続テレビ小説『あさが来た』のふゆ役だった。もともと違う役でオーディションを受けて不合格だったものの、「今後大きくなる人材」とプロデューサーの目に留まり、あらためてオファーがかけられたという。つまり、清原はキャリアの最初期からNHKに見初められていたのだ。
その後も清原はNHK制作のドラマに多数出演。女優としてのキャリアを積んでゆく。NHK放送90周年を記念した大河ファンタジー『精霊の守り人』(2016年〜2018年)では、綾瀬はるか演じる主人公・バルサの少女期を演じ、乗馬や殺陣などのアクションにも挑んだ。
『透明なゆりかご』(2018年)では、満を持しての主演となった。町の小さな産婦人科医院を舞台にした同ドラマは、「第73回文化庁芸術祭」テレビ・ドラマ部門の大賞に選出されるほどの高い評価を得た。
朝ドラの記念すべき第100作目である『なつぞら』(2019年度前期)にも出演し、広瀬すず演じるヒロインの生き別れになっていた妹・千遥役を務めた。物語の重要人物である千遥役のキャストは事前に告知されておらず、本編をもって解禁という朝ドラでは異例の形となった。
また、BS時代劇『螢草 菜々の剣』(2019年)では、本格時代劇で初主演。このように『おかえりモネ』は、NHKがデビュー当初から重用してきた清原を、ついに“朝ドラ”ヒロインに据えた作品なのだ。面白くならないはずがない……というのが朝ドラファンの総意だろう。
朝ドラファンが『おかえり〜』に期待する理由は他にもある。脚本を手がけるのは、『きのう何食べた?』(テレビ東京)や『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)などで知られる安達奈緒子だ。安達は先述の『透明なゆりかご』の脚本家でもあり、今作は清原果耶×安達奈緒子が再びタッグを組んだ作品でもある。ちなみに『おかえり〜』で制作統括を手がける須崎岳もかつて『透明なゆりかご』に携わっている。その他のスタッフも『あまちゃん』や『いだてん〜東京オリムピック噺〜』といった名作のDNAが感じられる顔ぶれで、まさに盤石の布陣と呼んでいい。