「朝ドラには異性の幼馴染が数多く登場しています。かつては『花子とアン』の窪田正孝、『おひさま』の柄本時生のように、ヒロインに思いを寄せながら見守り続けるパターンか、『ごちそうさん』の和田正人のように、ケンカしながらも困ったときには助けてくれる“親友以上・恋人未満”のパターンがほとんどでした。
それが変わり、幼馴染が結婚相手となるのは『梅ちゃん先生』の松坂桃李から。同様に『半分、青い。』の佐藤健も、一度は互いに別の相手と結婚するものの、最終的に結ばれます」
1961年の放送開始から、朝ドラもさまざまな変化を遂げてきた。近年は、「幼馴染枠」の在り方も多様になっているという。
「近年のひとつのパターンになっているのは『ひよっこ』の有村架純、泉澤祐希、佐久間由衣や、『スカーレット』の戸田恵梨香、大島優子、林遣都のような“サンコイチ”の友情パターン。
変則的だったのは、吉沢亮、山田裕貴、工藤阿須加、犬飼貴丈、育ての家の長男・清原翔と、イケメン幼馴染を5人も揃えた『なつぞら』。トドメに『おちょやん』の成田凌は、ヒロインの一番の理解者かつ仕事のパートナーであると同時に、結婚・離婚をする浮気者のクズ男というパターンでした。
幼馴染のあり方も多様化していますが、なかでも一番の出世魚は、片想いの報われない健気さが視聴者に愛され、スピンオフも作られた『花子とアン』の窪田正孝でしょう。なにせその後『エール』で、朝ドラ史上ごく稀な男性主人公も務めています。見守り系・健気系の幼馴染キャラは今の時代、かなりのポテンシャルを秘めていると思います」(田幸氏)
朝ドラにおいては、ヒロインの結婚相手と同じかそれ以上に支持される幼馴染キャラも数多く存在する。“国宝級イケメン”の永瀬が、本当に国民的な人気者となるための大きな1歩が、『おかえりモネ』であるはずだ。
●取材・文/原田イチボ(HEW)