5月25日からプロ野球交流戦が始まる。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大によって開幕が遅れ、交流戦は中止に。今年は広島で陽性者が相次ぎ、広島対西武戦の2試合の延期が発表されたが、交流戦自体は2年ぶりの開催となる。過去15年の成績を振り返ってみると、セ・リーグの勝ち越しは2009年の1度だけ。それ以外はパ・リーグに軍配が上がっている。プロ野球担当記者が話す。
「セ・リーグの監督は『交流戦は5割でいい』と思っている節がある。実際、2006年の巨人や2015年のDeNAのように首位のチームが交流戦で大失速するケースもありますが、少しの負け越しならセ・リーグのペナントレースにはあまり影響がないんです」(以下同)
交流戦15年のうち、2010年の中日は借金2、2015年のヤクルトは借金1、2018年の広島は借金4と負け越しながらも、ペナントレースを制している。
「かつては交流戦がシーズンの命運を握っていました。落合博満監督が指揮を執っていた2005年の中日は、4番のタイロン・ウッズが5月5日のヤクルト戦で頭部付近の投球に怒って、藤井秀悟に暴行を働き、10試合の出場停止に。主砲の欠場が大きく響き、交流戦序盤10試合は2勝8敗となり、通算でも15勝21敗で失速。交流戦セ首位の阪神とは7ゲームもの差がついた。この負け越しが痛く、阪神がペナントを制覇。中日は連覇を逃しました」
原辰徳監督が復帰した2006年の巨人もリーグ首位を走っていたが、交流戦で信じられない失速を見せた。
「主力が続々と故障で離脱し、5連敗、8連敗を喫して、13勝23敗と借金10を作ってしまった。5月27日のロッテ戦で高橋由伸がダイビングキャッチを試みて左肩を負傷、6月2日の西武戦で打球を処理する際に小久保裕紀が右手親指を剥離骨折、6月18日の楽天戦で阿部慎之助が右手親指を負傷するなど、チームリーダーを欠いてしまった」