そのなかで世界で語学教育事業を展開するEFは社員の会場での観戦も「推奨する」と答えた。東京メトロは「賛成」の理由を、
〈様々な声があることは承知しているが、大会輸送を担う交通事業者として(中略)大会の成功に交通の面から貢献したい〉
とした。『経済界』編集局長の関慎夫氏が語る。
「交通インフラ企業は昨年度、軒並み過去最大の赤字を記録。開催で業績を回復したいとの期待もあるだろうが、無観客での開催となれば、それも望み薄の状況です。それでも『賛成』を表明した姿勢には、大会運営の一端を担う交通事業者としての覚悟が滲みます」
トヨタ自動車はすべての質問に「分からない」と回答した。トヨタは年間200億円以上といわれる協賛金を出資する「ワールドワイドパートナー」だが、それでも「賛成」と言えない苦しい状況が窺える。
※週刊ポスト2021年6月4日号