有名人が逮捕されると「まさかあの人が」と言われることがほとんどだが、今回は違った。彼女を知る人たちは「ようやく逮捕か」と言いつつ、その行動力と胆力には舌を巻くと誰もが言った。ライターの森鷹久氏が、風営法違反容疑で逮捕された現役キャバクラ嬢で人気読者モデル「桜井野の花」はいったい、歌舞伎町という街でどんな存在として認知され、成功したと見られていたのかをレポートする。
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新宿・歌舞伎町の人気キャバクラ店の経営者、桜井野の花こと渚りえ容疑者(32)が、無許可でキャバクラを営業したとして風営法違反の容疑で逮捕された。桜井といえば、SNSでよく話題になるだけでなく、かつては雑誌の人気読者モデルとして活躍したことでも知られている。まだ何者でもなかった時代の「彼女」を知る雑誌編集者が、当時を振り返る。
「彼女の存在を知ったのは10年以上も前。当時人気だった別のモデルの撮影に彼女が来ていたのです。いわゆる『ギャル』でしたが、顔も性格も、そして名前も、今とは全く違っていて、おとなしい印象を受けました」(雑誌編集者)
トップ読者モデルの陰に隠れあまり目立たなかった桜井だが、その後の活躍はめざましいものがあった。
「キャバクラで働き始めるとキャバ嬢専門の雑誌にも登場するようになり、さらに自身がいじめを受けた過去、そして整形していることを告白。整形の様子を写真つきで更新していたSNSも一気に注目され、テレビ出演もこなす人気キャバ嬢、モデルになったのです」(雑誌編集者)
紆余曲折を経て人気モデルになったまでは良かったが、すでに危うい兆候もあった。新宿・歌舞伎町の飲食店を経営する佐々木謙一さん(仮名・30代)が声をひそめて言う。
「彼女が働いていたお店は、業界内では『深夜店』と呼ばれる、営業は深夜一時までという決まりを守っていない店でした。そういう店で働いているとすぐに通報されたり目立ったりするため、雑誌に出るようなキャバの子が深夜店で働くことはなかったんですが、彼女は違った」(佐々木さん)
風営法では、キャバクラやスナックなど接待を伴う飲食店の営業は深夜一時までと定められている。ところが、法律を無視して深夜営業する店は、歌舞伎町だけでなく全国の繁華街に存在するのが現実で、桜井が在籍していた店もその一つだったという。そういった店で働く者は、前述のとおり目立たぬようにするのが通例なのだが、にもかかわらず雑誌などへの露出に積極的で、関係者からは目立つ桜井を心配する声も上がっていた。だが、彼女はいつも「堂々としていた」という。