女優・芳根京子(24才)が主演する連続ドラマ『半径5メートル』(NHK総合、毎週金曜午後10時~)。女性週刊誌の編集部を描く同ドラマの見どころについて、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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NHKドラマ10『半径5メートル』が面白い。その理由は、絶妙な配役と絶妙なテーマの選び方。ふたつの「絶妙」があるからだ。
物語の主人公は、女性週刊誌の若手編集者・風未香(ふみか・芳根京子)。誌面トップを飾る編集部の花形部署である通称「一折」班にいた彼女は、大スクープを逃がす大ポカをして、「自分の足元半径5メートル」の生活情報を扱う「二折」班に異動する。
絶妙な配役は、なんといっても芳根京子。芳根といえば、朝ドラ『ぺっぴんさん』では、憂いを秘めたおとなしげなお嬢様ヒロインだったが、2019年、北海道テレビのドラマ『チャンネルはそのまま!』の新人記者役で、生放送中の天気予報士の後ろで虫取り網を振り回したり、ワニ(?)に抱き着いて捕まえたりと、突如、大暴れキャラに。
さらに時代劇『大江戸グレートジャーニー』(WOWOW)でも暴れまくり、番組のインタビューで共演の山本耕史に「(芳根さんには)不思議な魅力が…」解説されることになった。
「体当たりしなさそうで実は一番体当たりしている若手女優」である。『半径』でも、ベテランライターの宝子(永作博美)と組んで、こんにゃくを手作りしてみたり、女子高生になりすましたりと体当たりを続けている。編集部の面々も絶品コーヒーを淹れることに凝りまくるキャップ(尾美としのり)はじめ、トランスジェンダーで女性として暮らす香織(北村有起哉)、川柳と和物が好きな藤川(山田真歩)と個性派が揃う。
テーマとしては、先日の第四回「なりすましにご用心」も絶妙だった。