【NEWSポストセブンプレミアム記事】
世界各国で食べられている健康食品であるヨーグルトは、食べ方をひと工夫するだけでおいしさも栄養も劇的アップ! 身近な食品をただトッピングするだけで、面倒な調理は必要なし。食のエキスパートたちが実際に食べているとっておきのちょい足しを公開します。
プレーンヨーグルトの消費量が増加している。全国のスーパーなどから収集したある市場データによると、前年に比べ、今年4、5月ともに20%近く増えている。家庭で食事する機会が増え、ヨーグルトを食後のデザートにするだけではなく、料理にも活用することで消費が増えたのではないかと考えられている。
プレーンヨーグルトで充分
ヨーグルトが日本で販売されるようになったのは明治中期頃で、現在のように広く浸透したのは昭和に入ってからだ。「健康食品」と呼ばれるさまざまな食品が誕生しては姿を消す中、ヨーグルトが親しまれ続ける理由を秋津医院院長の秋津壽男さんはこう推測する。
「乳酸菌やビフィズス菌などを含むヨーグルトは腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善します。ヨーグルトが廃れずに残っているのは、食べた人が実際に健康効果を実感し、安全性が確立された食品である証拠でしょう。腸内環境が整えば免疫力が上がり、インフルエンザウイルスへの抵抗力が増すこともわかっています」
新型コロナウイルスの流行もあり、いま、ヨーグルト市場では「免疫」にアプローチする商品の開発が一大ブームになっているという。「乳酸菌に選ばれた男」こと、乳酸菌製品の開発を行うH&J代表の中村仁さんが解説する。
「近年、機能性の高いヨーグルトが次々に開発されていて、いまは整腸作用だけでなく、免疫に効果があるといわれる商品が市場を拡大しています。もちろん、いい商品もたくさんありますが、なかには効果が定かでない商品もあるため注意が必要です」
機能性をアピールするヨーグルトは値段が高めのものも多く、毎日の食卓に出すのはためらうかもしれない。秋津さんは、「一般的なプレーンヨーグルトで充分」と話す。
「腸内細菌は約1000種あるといわれます。どんなに高価なヨーグルトを食べても、そのヨーグルトに含まれる特別な菌が自分の腸に合わない可能性は大いにある。一般的なプレーンヨーグルトでも、乳酸菌の効果は充分得られます。特殊な効果に期待して高価なヨーグルトを週1回食べるより、お手頃価格のプレーンヨーグルトを毎日食べ、乳酸菌を摂取する方が安定した整腸作用が期待できます」
そのまま食べても効果はあるが、プレーンヨーグルトは「ちょい足し」することでさらに健康的な最強食品へと変身する。甘みがないプレーンヨーグルトが苦手という人にとっても、「ちょい足し」することで食べやすくなるので一石二鳥だろう。その「ちょい足し食材」を、食と健康の専門家に徹底取材し、ランキングにした。
【ヨーグルトに「ちょい足し」すべき食品ベスト15】
※11人の「食と健康の専門家」に「ヨーグルトに『ちょい足し』するおすすめの食べ物」を挙げてもらい、それぞれ1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として集計し、15位までを掲載した。
●1位「バナナ」 20点
「たんぱく質の代謝に必要なビタミンB6が豊富。適度な甘さを得られるのもメリット」(磯村さん)
「バナナは腸内細菌のエサとなるオリゴ糖に富み、ヨーグルトと合わせて食べることで、より効率よく腸内環境が整う」(望月さん)
「バナナのように皮が厚く、皮ごと食べられないフルーツは、農薬の影響による不安が少ない。安全に天然の糖を摂取できる」(中村さん)