GIGAスクール構想とは、一人一台端末と高速通信環境によって子どもたちに個別最適化・創造性を育む教育を実現させる施策のことだ。それにより、全国の小中学校の児童生徒に一人一台のパソコン・タブレット端末が配られている。既に活用・自宅に持ち帰ってきている家庭もある一方で、自治体によってはまだ届いていないところもある。GIGAスクール構想の実態と課題について、元小学校教員でICT教育に詳しいITジャーナリスト・成蹊大学客員教授の高橋暁子さんがレポートする。
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「子どもが学校から配られたタブレットで何時間もゲームしていました。学習に使うのかと思ったらゲーム三昧で、このままネット依存になりそうで怖い」と、小学生の子どもを持つ40代主婦は不安を隠さない。
「児童が学校から配れたタブレットでYouTubeを見ていました。『裏技を見つけた』と言っていて驚きました。もうこの穴は対処済みらしいですが、きっとイタチごっこでしょうね。さすがネイティブ世代と感じています」と、ある小学校教員は感心した様子で話してくれた。学校配布のタブレット端末でのこのような事態は、各地で起きている。
そのような子どもたちの驚くべき実態の前に、GIGAスクール構想の一環で配布されているタブレット端末について、現状の活用実態についてご説明しておこう。
小学6年生の息子も、GW明けにやっと配布されたChromebookを持ち帰ってきた。事前に学校からは「Wi-Fiを用意してほしい」旨の連絡をもらっていた。一斉休校中にオンライン授業ができない理由の一つとして、すべての家庭に端末やWi-Fiがあるわけではないことが挙げられていたが、とうとうどちらもそろったのだ。一方、隣の自治体は「春休みは既に配布済みで宿題もずっとオンライン」と聞いており、自治体による差を感じる。
自宅のWi-Fiにつなぐ設定にしてからは、毎日持ち帰っては自宅で充電し、学校に持っていっている。約1キロと軽めではあるが、やはりランドセルがさらに肩に食い込むようになった。
初日から、教育機関なら無料で利用できるアプリGoogleクラスルームを使って、オンラインで出される宿題に回答、提出している。他の子ども達の回答がすぐに見られるのも面白い。もともと家庭でプログラミング学習に取り組んでいたこともあり、キーボードは不自由なく使えている。授業では日常的によく利用しているというが、6年生だからなのか担任とは別に生徒の操作を手助けする支援員などは特に来ていないようだ。