米国防総省(ペンタゴン)が昨年4月に「未確認飛行物体」(米海軍撮影)の映像を公開したのに続き、今年5月16日には同省UFO研究プロジェクトの元トップ、ルイス・エリゾンド氏が「UFOは実在する」と明言。米政府は6月にも報告書を議会に提出する予定だという。
このニュースに「ついにここまで来た、という感じです」と感慨深げに話すのは、1979年創刊の老舗オカルト誌『ムー』(ワン・パブリッシング刊)の三上丈晴・編集長だ。ペンタゴンが撮影したというこの未確認飛行物体の正体は何なのか。三上編集長が検証する。
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米軍ではトランプ前大統領政権時、宇宙空間の安全保障を確保するための部隊である「宇宙軍」が設置されました(2019年12月)。それとほぼ同時に、「UAPTF」(未確認航空現象タスクフォース)というUFOの探査や分析にあたる特別調査機関も新設されています。
これらの組織の体制化は、準備期間も長かったはずです。そうした流れのなかで、昨年の国防総省による映像の公開や元当局者の証言、来月のUFOに関する報告書の議会提出などがなされたのでしょう。米国は今後もどんどん情報を出してくると思います。
ただ、誤解されがちですが、米国は正確には「UFOが実在する」とは発言していません。もともと「UFO」という言葉はエドワード・ルッペルト大尉という米国空軍の軍人が作った「軍事用語」で、単に“正体不明の飛行物体”だけを指しているわけではありません。ペンタゴンは一連の発表で「UFO」という言葉は使わず、一貫して「UAP」という言葉を使っています。UAPとは「未確認航空(空中)現象」のこと。物体ではなく現象だというわけです。
これは早稲田大学の大槻義彦・名誉教授が提唱した「火の玉=プラズマ説」のように、UFOの正体も「プラズマ」(電離気体のこと。固体・液体・気体に次ぐ物質の第4の状態)の可能性があるということを暗に示しています。ペンタゴンが昨年公開した3 本の映像を見ると、その飛び方や速度などから、明らかに普通の物体ではありませんからね。