あずき(小豆)と聞くと、大福やおはぎなど和菓子をイメージする人は少なくない。しかし最近、生活習慣病の改善にも影響する「健康食」として注目を集めている。
あずきをテーマにした健康ムック本『アズキ毒出しレシピ』(マキノ出版、1月28日発売)がベストセラーとなった。
「発売3か月で5刷と予想以上の売れ行きです」(担当編集者)
この大ヒットを受け、シニア向けの健康雑誌『壮快』(7月号)でも、あずきの効能について特集するなど、ブームが到来している。あずき研究の第一人者で名寄市立大学教授の加藤淳氏が解説する。
「私はこれまで豆類の研究をライフワークとしてきましたが、そのなかでもあずきは最も健康効果が高いと言えます。とりわけ注目すべきは老化を予防する力。細胞が老化する主な原因は、活性酸素による臓器や血管の損傷ですが、あずきはこの活性酸素を撃退する『抗酸化力』が桁違いに高いのです」
抗酸化力の高い成分として知られているのが、「ポリフェノール」だ。赤ワインやコーヒー、紅茶、チョコレートなどに多く含まれる成分で、動脈硬化や高血圧、糖尿病の予防などに効果があることで知られる。
「とくに赤ワインに多く含まれていますが、あずきのポリフェノール含有量はその約2倍(100gあたり)。インゲン豆や枝豆、グリーンピースといった他の豆類と比べても、2~5倍と非常に多い」(加藤氏)