コロナ禍で家族の在宅時間が増えると、当然やるべき家事も増える。これまで通り、主婦がその家事をすべて担っていると、どこかで限界がきてしまうだろう。そもそも主婦だけに家事を任せるのではなく、家族全員で分担すべきなのではないかという声も多く、将来的なことを考えると、夫も子供も基本的な家事くらいできておいたほうがいいのも事実だ。
だからこそ、主婦が“卒家事”をし、夫や子供たちに家事をシフトさせることは、ベストな選択だといえるはず。自分のことを自分でできるようになることこそが、それぞれの人生を幸せにするのだ。
では、一体どういうふうに、夫や子供たちに家事を仕込んでいけばいいのだろうか?
自分の意識改革
昭和時代に教育を受けた人の中には、「家事は女の仕事」だと思っている人が多い。『家庭力アッププロジェクト』を主宰する西崎彩智さんは、こう話す。
「まず、その意識を変えましょう。家事能力は、生きるための基礎でもあります。誰かに頼らずとも生きられるということは、本人が自由と自信を手にすることなのです」
夫や子供に家事を教える際に、「私ひとりでは大変だから」ではなく「将来あなたたちが困らないため」という姿勢を貫き、“卒家事”はあくまで家族への愛、ということをわかってもらおう。
また、妻のやり方を押しつける必要もないという。
「家事を教えるというのは、自分のやり方を押しつけることではありません。手順を教えたら、あとはやりたいようにやらせて知らんぷりをする。間違っていても、作業に慣れれば気づいて改善するはずなので、最初から細かく教えなくてもいいのです」(西崎さん)