香港では、中国の民主化を訴えた学生らを「暴徒」とみなす中国政府の見解は不当であり、弾圧で死亡したり、投獄された学生らの名誉回復をすべきだとする市民が、全体の半数以下だったことが明らかになった。また、毎年6月4日に天安門事件の追悼集会を開いている香港の民主化団体「香港市民支援愛国民主運動聯合會(支聯会)」について、「その役割は終わった」などとして、解散を求める市民も3分の1に達している。
米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が香港世論調査研究所の「天安門事件記念調査」の結果として報じたもので、いずれも香港市民の民主化運動支持率としては最低を記録した。
世論調査は5月17日から21日にかけて、香港市民1004人に電話で行われた。それによると、天安門事件や当時の民主化運動に参加した学生らの名誉回復をすべきと答えた市民は全体の47%で、昨年の60%からマイナス13ポイントと大幅に下落した。一方、昨年の調査では、「名誉回復をすべきではない」と答えた市民は全体の28%だった。
また、「香港支聯会の活動を支持するか」との質問について、「香港支聯会は解散すべき」と回答した市民は全体の28%で、1993年の24%を4ポイント上回って、過去最高となった。
香港ではここ数年、中国の政治的締め付けが強まり、昨年と今年の香港支聯会主催の天安門事件追悼集会が2年続けて、当局の許可が下りずに、中止となった。また、香港支聯会が運営する天安門事件(六四)記念館についても、「営業許可をとっていない」との理由で、香港当局が6月2日から閉館を命令しており、営業再開のめどは立っていない。
さらに、香港支聯会の李卓人主席と何俊仁副主席ら幹部数人が香港国家安全維持法(国安法)の制定に反対するなどの集会を無許可で開催したなどの罪で投獄されていることも、香港支聯会の支持率低下に拍車をかけているようだ。