コロナで生活が一変した状況下、子どもも大人もストレスにさらされ続けている。2020年、小中高校生の自殺は過去最多となった(文部科学省発表)。10代から大人までの心に向き合い、多彩な活動をしながら発信を続ける2人の精神科医、樺沢紫苑氏と和田秀樹氏が、人間関係や自己肯定感の低さなどの悩みにどう向き合えばいいのかをテーマに、対談を行った。
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樺沢:10代のみならず大人も、悩みの根本には、学校・職場、家族など、人間関係の問題があることが多いですね。
和田:日本独特の「同調圧力」の強さもあり、人と違う意見を言って嫌われること、仲間はずれになることを極端に恐れる傾向も顕著で、そのせいで悩みが深まっている人も多いように思います。
樺沢:今回同時に著書が刊行され、私の本のテーマは「コミュニケーション」、和田先生のテーマは「仲間はずれ・いじめへの対処法」がメインでその中で大切な言葉を書いておられますが、中でも「自分のパフォーマンスが発揮できる場所を探す」というのは、とても重要なことですね。
和田:悩みの中にいる人は視野が狭くなりがちで、今いる場所がすべて、全世界がそこ、と感じることが多いのですが、決してそんなことはない。学校なり会社なりが辛い場所でも、世界はその外に大きく広がっていることを再認識するといろいろなことが解決に向かいます。