今、業界で、あるスーパー子役が注目を集めている。明石家さんまが、企画・プロデュースするアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』の主題歌の歌唱に抜擢された、稲垣来泉(いながき・くるみ)ちゃんだ。まだ10歳の子役でありながら、驚くべき実績を持つという彼女の魅力について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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11日、明石家さんまさんが企画・プロデュースするアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』が公開されました。同映画の原作は西加奈子さんのベストセラー小説であり、又吉直樹さんが『アメトーーク!』(テレビ朝日系)や『news zero』(日本テレビ系)で紹介したことでも知られています。
世間では、さんまさんによるプロデュースのほか、大竹しのぶさん、マツコ・デラックスさん、Cocomiさんらの声優出演が話題を集めていますが、業界内をザワつかせているのは、主題歌を担当する稲垣来泉ちゃん(いながきくるみ)。さんまさんが「ネットで10歳くらいの子役を探したら出てきて、声を聞いて決めた」という、まさに大抜てきでした。
来泉ちゃんは現在10歳の子役ながら、吉田拓郎さんが1970年にリリースしたデビュー曲「イメージの詩」をカバー。さんまさんの「ボブ・ディランのイメージ」「語る感じで」という難しいリクエストに「はい!わかりました」と元気よく返事してニュアンスをくみ取って歌い、「我々の思う通り以上に全部やってくれた」と絶賛されました。さらに拓郎さんも、涙を流しながら来泉ちゃんの歌声に聴き入ったことを明かしています。
もちろん今回の映画主題歌も素晴らしいのですが、業界内がザワついているのは、「あらためて来泉ちゃんの才能に気づかされた」から。実はこれまで一部で「芦田愛菜ちゃん以来の大物子役」という声も挙がるほど、さまざまな作品に出演していたのです。
主演俳優の幼少期と娘役を総なめ状態
来泉ちゃんは3歳でCMに出演して以来、すでに40本以上のドラマ・映画に出演。しかも、単に出演数が多いだけではなく、その内容が凄いのです。
『アンナチュラル』(TBS系)では石原さとみさん演じる雨宮美琴の幼少期、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)では菅野美穂さん演じる水無瀬碧の幼少期、『桜の塔』(テレビ朝日系)では広末涼子さん演じる水樹爽の幼少期、『リコカツ』(TBS系)では北川景子さん演じる水口咲の幼少期、映画『記憶屋 あなたを忘れない』では芳根京子さん演じる河合真希の幼少期、配信ドラマ『アリバイ崩し承ります特別編 時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ』(ABEMA)では浜辺美波さん演じる美谷時乃の幼少期を演じました。
また、『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)では菅野美穂さんの娘役、『刑事7人』(テレビ朝日系)では東山紀之さんの娘役、『この世界の片隅に』(TBS系)では尾野真千子さんの娘役、『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)では三浦春馬さんと比嘉愛未さんの娘役、映画『人魚の眠る家』で篠原涼子さんと西島秀俊さんの娘役、映画『糸』では菅田将暉さんと榮倉奈々さんの娘役、秋公開の映画『そして、バトンは渡された』でも石原さとみさんの娘役を演じる予定です。
来泉ちゃんは名だたる主演俳優たちの幼少期や娘役をこなすほか、すでに朝ドラの『とと姉ちゃん』と『スカーレット』にも出演済。子役としては最高峰のポジションで活躍しているのです。これまでは子役として作品の中に溶け込んでいたため、あまりフィーチャーされる機会がありませんでしたが、今回の主題歌起用で一気に知名度が上がる可能性もあるでしょう。