気象予報士を目指す少女が主人公のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』。このドラマをきっかけに“天気”に興味を持ったという人も多いのではないだろうか。しかも、専門的な知識がなくても、天気を読むことができるという。
大空を見渡し、浮かぶ雲の形や空の色を見る「観天」と、風や湿気などから空気の状態を知る「望気」。昔はこの2つを組み合わせて天気の変化を予測していた。気象予報士の天達武史さんはこう話す。
「通常、夕焼けの翌日は晴れますが、梅雨時に“赤みが強く、濁った夕焼け”が出たら、大気に大量の水蒸気が含まれているので翌日、雨になることも。観察することはとても大切なのです。
また、星がチカチカと瞬くのは、上空で強風が吹いているから。その風で低気圧がやってくることから、星の瞬きは天気が悪くなる予兆といえます」(天達さん・以下同)
このほかにも、上層の雲と中下層の雲が逆に流れたら、そのあと雨になることがある。
「こうした空や雲の動き以外にも、猫が顔を洗うとか、ツバメが低く飛ぶなどといった生き物の行動が、気象の変化に連動する場合もあるのです。
今後増える夏の夕立は、基本的に気温が上がった午後にザーッと雨が降るもので、これは入道雲(積乱雲)の発達が原因。もし午前中からモコモコした雲が多く発生していたら、すでに大気が不安定になっているので、傘を持って出かけた方がいいでしょう。
また、入道雲がだんだん大きくなって近づいてきたら、激しい雨が降り出すサインですが、積乱雲の中でも、上部が広がった『かなとこ雲』や、下にも垂れ下がってきた雲は非常に危険です。大雨以外に雹や落雷、竜巻を伴うこともあるので注意が必要です」
真っ黒な積乱雲が頭上で広がり、急に冷たい風が吹いたら、数分後に強い雨が来る。
「ゲリラ豪雨も発達した積乱雲が原因で起こるので、雨に打たれる前に避難する目安にしてください。波状雲、レンズ雲の多くは高積雲という雲の仲間で、これがたくさん出たら、次の日までに雨が降る可能性があることも覚えておきたいですね」
もちろん観天望気にプラスして天気予報もチェックしておけば、鬼に金棒だ。