テレビウォッチャーでコラムニストの飲用てれび氏が、あんりの強みを分析する。
「ぼる塾・あんりは、まずそのキレ気味の激しいツッコミが強く印象に残ります。浜田雅功、東野幸治、有吉弘行などに対峙した際も物怖じしない強烈なツッコミ。彼女と共演した先輩芸人が生き生きしだす場面もしばしば見られ、テレビに出始めたころのハリセンボンの近藤春菜を思い起こさせます。
他方で、あんりは単にキレ気味にツッコんでいるだけではなく、出演番組をよく見ると、状況に合わせてツッコミを使い分けていることがわかります。短いセンテンスで激しくツッコむこともあれば、相手をなだめるような言い方をしたり、嘆きのニュアンスを含ませたり……。もちろん手練れのツッコミ芸人は複数のツッコミを使い分けますが、あんりのその若さでの巧みさは目を見張るものがあります。
また、冠番組『ぼる塾の煩悩ごはん』(テレビ朝日系)では自然に周囲にトークを振ったり、話題を広げたりもしています。テレビに出演する際の役回りが一辺倒ではなく多様である点に、今後の活躍の幅広さを予感させます」(飲用てれび氏)
ツッコんでよし、イジられてよし、トークを回させてもよし。若手ながらオールラウンダーと言えるあんり。確かな実力で、現在のお笑い第7世代ブームが落ち着いた後も安定して需要がありそうだ。
ところでネット上には、「あんりは名MCになりそう」と期待を寄せる声もある。芸能界において女芸人が存在感を増しているとはいえ、やはりMCで活躍する人材となると、ごく限られてしまう。しかし、あんりならば、あるいは……。『ぼる塾の煩悩ごはん』などで着々とMCの経験を積んでいる彼女が、数年後にどんな飛躍を遂げているか、首を長くして待ちたい。
●取材・文/原田イチボ(HEW)