在宅ワークやリモート授業が続き、家族が家にいると毎食作らなくちゃならない・・・・・・そんな“悲痛な声”が多く聞かれる昨今。ベストセラー『料理が苦痛だ』の著者でもある料理教室主宰・本多理恵子さんに解決策はないものか聞いてみた。
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――『料理が苦痛だ』(料理レシピ本大賞in Japan 2019【料理部門】エッセイ賞受賞)を書いたきっかけは?
(以下、本多理恵子さん)
2つあって、1つは私自身も今は料理を仕事にしているけれど昔は「もう一生外食でいい」と思っていたくらいの人間なので、毎日のご飯作りを「しんどいな」と思うこともある。そしてもう1つは、料理教室に来てくれる方たちの声に後押しされたことなんです。
料理教室に来てくださるくらいですから、基本的には「もっと美味しいものを作りたい」といった意識のある方たち。でも「ほんとうは嫌なんだけど」「ああ、面倒くさい」みたいな声があまりにも多くて。毎日、仕事でもないのに家族のためにご飯を作るのは孤独な作業でそれはしんどい。「自分が作らなければいけないって思いつめて気持ちが壊れてしまうくらいなら、料理やめてもいいじゃないですか!」ってそれくらいまで言いたい気持ちがあったんです。
『料理が苦痛だ』が出版されて、「何言ってるんだ!」「食文化を滅ぼす!」といったお声もありましたが、「なんだか救われました」「それでいいんですね」と、思いのほか支持をいただけて、声をあげてよかったと思いました。
壊れてしまうくらいなら料理やめてもいいんです!
料理を気晴らしで作るのは楽しいですよね。ただそれが義務になると1日3食ご飯作りマシーンのようでつらくなってしまう。私もレシピ本を出していますが、それ以前にこれはレシピ本では救えない問題で。
レシピ本は「こうすればできますよ」の提案で、それは簡単にできるとしても料理するのが前提。5分でできます、プライパンだけでできます、というのは手抜きでも何でもとにかく作りましょうということ。私はそこからもっとハードルを下げて、「作りたければ作ればいいし、作りたくなければ作らなくてもいい」くらいの目線でお伝えしたいと思ったんです。